管を縛って精子の通り道をふさぐのがパイプカット

パイプカットは、男性の生殖器に外科処置を施すことによって精子の放出を防ぐという避妊法です。コンドームや膣外射精といった、男性主導によるその他の方法に比べると、非常に高い避妊効果が得られます。
「カット」という言葉の語感から、パイプカットには精液の流れる部位を完全に遮断してしまうかのようなイメージがありますが、実際にはそうではありません。精管と呼ばれる精子の通り道を一部切除し、その端を手術用の糸で縛ります。この処置を行うことで睾丸から精子が精液内に送り出されるのを防ぎますが、精液そのものは精嚢と呼ばれる別の部位から流れてくるため、精通自体は今まで通りです。
また、パイプカットは行ったものの後になって改めて子供が欲しくなったというような場合には、カットした精管を元に戻す処置を施すこともできます。ただし、場合によっては完全に元通りに戻すことが難しいこともあるので、その点は注意が必要です。

元に戻すならできるだけ早い時期が良い

パイプカットを元に戻す方法のことを、正式には精管吻合術といいます。原理的にはそれほど難しいことはなく、パイプカットによって切り離された精管を再びつなげ、精子が精液に送り込まれるようにするだけです。手術時間もそれほど長くはかからず、日帰り手術が可能です。
注意が必要なのは、精管を元に戻すことがそのまま妊娠可能を意味するとは限らないということです。というのも、パイプカットを行うと、年を経るごとに精子を作り出す能力そのものが衰えてくるということが分かっているからです。統計によれば、パイプカットを行った人であってその後精管吻合術を受けた人のうち、約80%が妊娠に成功しているというデータがあります。しかしこの数字はパイプカットを行ってから経過した年数が長ければ長いほど低下する傾向にあるため、元に戻したい時はなるべく早い時期での決断が重要になります。
万が一妊娠能力が再生しなかった場合は、顕微授精といった不妊治療を試みるという選択肢もあります。

まとめ

パイプカットをしたいが将来元に戻したくなるかも知れない、という時は最初に手術を受ける前にパートナーともよく相談し、慎重に検討を行う必要があります。また、実際にパイプカットの手術を受けるに当たっても、担当の医師にあらかじめ相談し、戻し方や成功率などについてあらかじめ確認しておくことが大切です。さらに、医療機関によってはパイプカットは行うが精管吻合術は取り扱わない、というところもあるので注意が必要です。